日曜ブログの110回目。
先日、とある詐欺のニュースを見て、昔のことを思い出しました。
かつて同級生がマルチ商法にハマってしまい、
そのお母さんから「息子を脱退させてほしい」と頼まれ、潜入したことがあります。
そこにいたのは、見た目の良いお兄さん・お姉さんたち。
ファミレスで延々と話し続けて、相手を疲れさせて判断能力を奪う手法。まさに洗脳でした。
友人はマッチングアプリのようなもので出会った女性に誘われたとのことだったので、
同じ手口でコンタクトを取ってみたら、やはり嘘の塊。
真実を伝えて洗脳と恋心は解けたのですが、解けた後の彼に残ったのは虚しさとロス感で
その後、友人関係も微妙になってしまったので詐欺師が更に嫌いになりました。
これは20年以上前の話ですが、今の世の中では詐欺も手法を変え、
より巧妙に人を取り込んでいるのだと思います。
詐欺は無くならないのか、騙される人が無くならないのか
どっちも無くなりそうにはないのが歯がゆいですが
せめて自分の周りからは根絶させたいなと。
昔は詐欺師って「いかにも」って感じでしたけど
今や「一見ちゃんとして見える人たち」
清潔感もある、誠実そうに見える、でも中身は違うので
昔よりも分かりにくくなっているのかもしれませんね。
日本では、詐欺の年間件数は約2万件。
それに対して検挙率はわずか10%ほど。
自分の知っている人が加害者や被害者にならない事を切に願います。
さて本題。
「業界の詐欺」について。
不動産業界にも、自分の定義では「詐欺だな」と思う行為があります。
もちろん、法的にはグレーか白かもしれないけど「誠実じゃない」こと。
それを自分は詐欺だと思ってしまうのです。
・明らかに高額な建築費
・説明不足かつ不必要なサブリース
・非現実的な収支計画
・相手に言えない三為契約 などなど
枚挙にいとまがありません。
CMをしているような有名企業でも、老舗でも、関係ありません。
「正直不動産」のような世界が当たり前になればいいですが、現実はまだまだ遠いなと。
(もちろん、ちゃんとした会社も担当者もいますけど)
たとえば、ある地主さんが自分の土地に新築マンションを建てるとします。
建築費はいくら、利回りはいくら。収支計画書が出てきます。
でも、それって誰が作ったものでしょうか?
そう、建てさせたい側の営業ツールです。
机上の空論で実態とは乖離しているケースが散見されます。
自分のところに相談があれば、徹底的に改善します。
「不動産経営は企画で8割決まる」という言葉があります。
建てた後でも改善はできますが、早いほうがいいに決まっています。
不動産は建てる前が一番の勝負なのです。
そしてもう一つ。
この25年間、不動産企画を進める中で、関係者によくこう質問してきました。
「自分の親にこの物件を建てさせられますか?」
「はい」と即答できた人は、2人しかいませんでした。
大半の人が「いや〜それはちょっと…」と濁します。
中には「もちろん我々も悪いですが、勉強不足なオーナーにも責任ありますよね」
なんて開き直る人までいたりね。
このようにお金のために、平気で人を落とす人がいる。
あげくにそうして得たお金でブランド品や、豪邸、別荘、高級車、人脈、SNS映えする生活を見せびらかす。
価値観の違いと言われればそうかもしれないけど
受け入れがたい価値観の違いです。
心から、かっこ悪いなと思います。
じゃあ綺麗事言ってかっこつけたいのかっていうと
そうじゃなくて自分で自分を嫌いになりそうなのでしたくないだけ。
単に、自分で自分を誇れる仕事をしようと思っているだけなんですけどね
地主系オーナーは土地を持っていても、
現金を持っているわけではない人が多いです。
お金儲けよりも「土地」や「地域」を守りたいという気持ちが強い人が多い。
だからこそ、誠実でない提案をする人が詐欺師に見えるのです。
まあかつては色々な衝突をしたものです。
余計な敵を作るなと言われる事もありましたけど
黙っていられなかったのです。
(若気のいたりという事にしておきましょう)
今となっては色んな気付きも得られたので
会社が潰されてしまうかもと不安になる事もあったものの
そんなに悪くなかったなと思うようにしています。
そうそう、そこで学んだことがあります。
「自分の中の正義を伝える時は
感情的になってはいけない」
という事。
感情的な正義は理屈が通っている通っていない関係なく
人にはささりにくいのです。
心当たりある人は是非一度試してみて下さい。
そういった経験を経た今となっては、
「誠実じゃない人もいるか。」と思えるようになりました。
手っ取り早く変えられるのは自分なので
自分をアップデートするべしと切り替えるのです。
じゃあ、そういう人に騙されないためにもと
色々勉強をしてきたし、今もそうしています。
そんなこんなで染まることなく
「うちはうち、よそはよそ」と思って仕事をしていたら、
ブラックやグレーを好む人達は近寄って来なくなり、
同じ価値観の人たちと出会うことができました。
人の役に立ちたいと思っている人、
誇りを持って働いている人、
楽しんでいて、周囲も笑顔にしている人。
そういう人って、本当にかっこいいし
一緒にいるとシンプルにワクワクするんですよ。
そういう仲間がいて、
胸を張れる仕事を誠実に、
これが結局一番です。
管理会社で働いている人であれば
長期のローン期間を伴走していく立場なら、
こう聞かれて胸を張って言えなきゃ意味がありません。
「自分が京都でマンション建てるなら、
自分の会社に任せますか?」
自分は心から、はいと言えます
(これは自信よりも責任感から来るものです)
さて最後に詐欺師を見極めるポイントも
一つだけお伝えしておきます。
「言っていることよりやっている事」
誠実な行動をする詐欺師はいません。
だから誠実にやっているかどうかを見て下さい。
その人の周囲の人も誠実かどうか。
言葉なんてどうでもいいから
やっている事が誠実かが大事です。
あとお金の使い方もそうですけど
今日はこれぐらいにしておきます。
要するに今日は何が言いたかったかっていうと
「詐欺師が多いからといって、
詐欺師ばっかりいるわけじゃない」
ってこと。
(進次郎風に言いたかっただけ)
いつ誰に見られても恥ずかしくない仕事を
やっていきましょう。
お金のある人生に憧れて、没落する人が多い中
人望のある人生の方が、遠回りに見えても幸せへの道だと
つくづく思う今日この頃です。
今日はこのへんで。
ではでは。