代表取締役 唐津 自己紹介へ

「見せるべき背中」について ~航海3600日目~

2025/06/29(日) 代表取締役 唐津

日曜ブログの111回目。

ぞろ目につき、いつもの1,5倍の文字数でお届けします。

 

6月は腰痛の悪化につきお酒を飲んだのはたった2日。

お酒を飲まないとダントツで睡眠の質が上がり、頭の回転が早くなります。

飲まなくてもいいなあと思う今日この頃。

そして気付けば梅雨があっという間に終わりました。

(というか梅雨あった?)

 

昨日はとある社員の誕生日。

思えば彼の誕生日を23回も見ています。

23年前の彼は一体何歳だったんだろうと思うと時の早さを痛感します。

 

今更直接言うのは少し恥ずかしいけど、

よくぞ私みたいな人間と23年もいてくれているなと思うと感謝しかありません。

 

そんな私ももうすぐ4●歳。

先輩方も代替わりして社長じゃなくなったり、

会社を売却したなんて話を聞く事も増えてきました。

 

外資に売ったなんて話もあったりね。

高く買ってくれるのは会社も不動産も一緒なんですね。

とはいえ高く売れるから売ったと言うより

疲れ果てて売ったというケースも増えているようです。

会社経営の難易度アップのスピードを見ると十分理解出来るところではあります。

 まるでテトリスの最後の方みたいに早くなっています。

13年前に創業した時のスピードとは雲泥の差。

そんな中、何があっても「全ては私の責任です」と

戦い続ける経営者の苦労も勿論痛いぐらいわかります。

 

とはいえいくら疲れたと言えど若者の将来を搾取して

保身に走る経営者もいて、そういう方々は好きになれそうにありません。

 

まあ、社長が引退して終わりじゃ無責任なので、

継続性のために●年後には引き継げるようにと自分も計画は都度練っています。

 

まだまだ×100ぐらいやり残した事が満載なので、

関係者の皆さんにはもう暫く私に耐えて頂かないといけないかな。

覚悟をよろしくお願いします。

 

うーん、先を考えると危機感は募ります。

とはいえ想像出来た未来から逆算して計画しないと

ブレるので今が良ければいいか♪と今の日本の偉い人達みたいにはなれず、

こればかりは避けられないし避けてはいけない。

プランニングはいつもスーパーネガティブから始めてポジティブに持っていくの繰り返しです。

 

ゆとり教育や働き方改革で、競争力を失った日本の労働者が、

AIや外国資本によってどう塗り替えられていくのか、

どんな人材で、どんなチームで、どんな方法で生き抜いていくかとか考え出したら夜「しか」眠れません。

(ふざけつつも言っている事は本気です)

 

120日以上休みがあって、週20時間でワークライフバランスで

何なら週3休みがいいな〜なんて正直絵空事。

手取りは会社が支給をいくら増やしても重税で大して増えない。

主な娯楽は手間と金のかからないサブスクぐらいで、

人と比べる劣等感を倍増させる嘘と加工の混ざったSNS社会で時間を浪費。

 

こんな生活の中で競争力を身につけれるわけないやん。

 この一言に尽きます。

 

まさに茹でガエル。

世界を見てみたら、実際主要先進国の中で日本人の労働時間は短いのに日本人はまだ勤勉だと思ってる。

「なんで日本人は真面目なのに、そんなに働かないんだ」

と外国の友人に言われた事があり「働きたい人も働けないんだ」と言ったことがあります。

 

すでに追い抜かれている立場で時間すら投資せず、どうやって追い付いたり追い抜けると言うのでしょうか。

そんなに労働生産性の高い洗練された人ばかりじゃなく

愚直でコツコツと力を合わせてが日本人の長所なのに。

 

まあ、自分の私見にすぎませんが制限された時間の中で、

貧しい人や逆転を狙う人にはますます厳しい世の中になっていくでしょう。

既得権を持った人からすれば脅かす存在が現れないのでそれはそれはさぞかし都合の良い流れなんでしょうね。

もはや資本主義ではなく明るい社会主義だなと。

 

貧乏、学歴無しでも寝食を忘れて、家族にも迷惑をかけて、

仕事に没頭した20代があって、追いつけ追越せとやってきたので尚更ね。

 

とはいえ、とはいえね。

会社のルールはちゃんとしています。

 

ただ、こういう危機感や実体験は伝えていかないと無責任だから言っているのです。

おっと熱くなりすぎた。

 

では本題。

「次の世代に何を見せるか」について。

 

こういった話をよく聞きます。

2代目、3代目が会社を潰す」と。

 

じゃあ創業者が偉いのかというとそうではないのですが、

これはただの偶然や運ではなく、極めて構造的な話だと思っています。

 

親が頑張り屋で、仕事ができて、社会に通用する。

一見、それは子どもにとって最高の環境に思えますがそこに見えない落とし穴があるのです。

 

親が「できる人」であるほど、子どもはこう思う事がある。

 

「自分は親みたいにはなれない」

「最初からできるわけない」

「親は特別な人」

 

その結果、劣等感、無力感、逃げの感情に支配され、

本人は知らず知らずのうちに自分の挑戦をあきらめていく。

(勿論そうならないケースもあり、その事についても後半記述してますので最後まで読んでください。)

 

とまあ、色々言っていますけど

私自身は全く逆の環境でした。

裕福ではないというか貧しい方で、

親は社会で戦える力を持っていたわけではなく。

ただそれは不幸だったかというと、そうは思わず。

(みんなこんなもんだと思っていました)

 

親は女手一つで一生懸命育ててくれたと思いますし、

良い悪いも含めその環境で得られたものも多かったと思っています。

 

何より、大きかったのは

「自分が頑張らないと人生終わる」

という危機感を自然と持つことが出来たこと 

 

 

そして冒頭言ったように、親になってわかったこと。 

「親が頑張り屋だと、子は逆に頑張れなくなることがある」

 

ガーンですよね。 

知らんがな。

ほなどないしたらええねん。

そう言いたくなる気持ちもよく分かりますが

言ったところで何も解決しません。

 

そして今自分が納得している方法は

 

成功した姿を見せるのではなくて

「挑戦している姿」

「悩んでいる姿」

「工夫している姿」

を見せること

 

「成功するためには!」なんてしたり顔で語っている人もいますが

成功したかどうかなんて、極論人生が終わる時にしかわからないものです。

 

なので、子供にも、社員にも

「俺もまだ成長の途中。失敗もするし、日々試行錯誤してる。」

って言うようにしています。

 

「人生とは何かと足掻くもんだ」

結局この姿勢を見せる方が遠回りに見えて近道で、次の世代にとって一番の教育になるような気がしています。

自分もそうやって挑戦する人達の「足掻き」を感じ、その背中に憧れたからこそ今もやっているので。

 

もし自分が社会において偉大な親を持っていたら

口では追い越したいとは言うものの、

成功者として完成したその姿は、「超えられない壁」に映ると思うのです。

威厳や安心感を与えていると思っている親サイドの見え方とは

全く異なる見え方を子供がする事もあるわけです。

 

以前 うちのオーナーさんの息子さんから聞いた学生時代の話があり、

その時の話が印象に残っています。

 

「あれだけ強くて怖かった父親の涙を見た時、

分の中で反抗期が終わりました。

それからは父の背中が目標になりました。」

 

強さや恐怖が、尊敬や憧れに変わった。

親から挑戦者として今も悩み、もがき、前に進んでいるという姿を見せられて

その山を一緒に登ってみたくなったと。

良い話です、良い年なので泣けそうです。

 

というわけで、

親や社長、リーダシップをとる立場の人達に共通する本当の役割は、

 

用意された道を歩かせることじゃない。

自分の道を自分で切り拓くことの面白さと価値を伝えること

 

だからうちの会社でも

仕事のやり方だけを教えるのは二流、三流。

仕事の面白さを伝えられるのが一流

と言っています。

 

とかくミスが許されない、揚げ足をとられる時流の中において、

可愛さゆえに過干渉になる気持ちもわかりまが

簡単に「答え」を与えるのは一見優しさに見えるものの、冷酷な事かもしれません。

与えたその時、本人にとっては氷のように冷たいものが

後になって本当はとても暖かくて

愛情のこもったものだったと気付くことってあるのです。

 

尊敬する2人の経営者もこう言っています。

 

・永守重信

「親が働く背中を見せないと子は働かない。

仕事がしんどい、難しい、でも乗り越える。

それを見せない限り、子は勝手には頑張らない。」

 

・松下幸之助

「子に苦労をさせよ。

親が全部用意したら、子は用意された人生しか歩まん。」

 

今日は何が言いたかったかっていうと

「与えるべきは問いであり、

見せるべきは挑戦の背中」

ってこと。

 

自分の子供や、会社の2代目、3代目を腐らせない、唯一の方法。

それは、「今も自分が挑戦者であること」

 

ずっとカッコつけてないで、たまには一緒に探して、一緒にあがいてもいいんじゃない?

 

僕はそう思います。

 

今なら言えますよ。

「悩んでいる事があるんやけど、

一緒に考えてくれへん?」

って。

 

 

今日はこのへんで。

ではでは。

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