クライフ航海記
突然ですが、日本でありがとうという言葉が使われはじめたのがいつ頃かご存知でしょうか?
室町時代といわれますが、その頃はまだ誰かへの感謝の言葉としての意味では使われていませんでした。
ありがとうの語源は「有難しこと」であり、そこに存在するのが難しい、という意味です。
つまり感謝の言葉ではなく、珍しくて貴重であるという表現の際に使われていたのです。
なので気軽に使う言葉というよりは、仏教教えの中で仏の慈悲により尊いものを得たときやまれな出来事が起こった時だけに口にする言葉でした。
相手のしてくれたことは当たり前ではなく「有難しこと」、つまり貴重で稀で尊いものであると考え、仏に向ける言葉を自分の身近にいる人への感謝の言葉として使うと考えた日本人の心ってとても美しいですよね。
普段様々な場面でありがとうという言葉を使っているわけですが、人が自分にしてくれことの全ては当たり前なわけではなく、本来そこに存在することが難しい、ありがたい出来事なのだということを胸に刻んで、日々の業務や生活の中で周りの人への感謝の意を伝えていかなければいけないなと思いました。