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「大人の余裕」について

日曜ブログの158回目。

さて先日、IREM JAPANというCPM(米国不動産経営管理士)の団体の総会が名古屋で行われ、参加してきました。

私はその団体でインストラクター(講師)として活動させてもらっているので、受講生の認証式はやたらと誇らしい気持ちになります。まるで自分の子供の卒業式を見ている親のようです。
(実の子供のイベントはほとんど行けなかったけど)

同時に、「もう一年たったのか」と、時の流れの速さにも驚かされます。

本当嫌になるぐらい早い。でも会いたいと思える人が増えるのは嬉しいものです。

若者にはまだわからんだろうけど。

もとい、数ある不動産団体の中でも、間違いなく一番お世話になっている団体で

ここで学んだことや、ここで出会った仲間。

それがなければ今の私はいなかったと断言できます。

団体行動があまり好きではない私が言っているので、そこは信じてください(笑)。

私は昔から、

「それはおかしい」

「こっちの方がもっと人の役に立てる」

「こうした方がもっと良くなる」

と、思ったことをそのまま口にする傾向があります。

すると大抵の場では、

「言いたいことはわかるけど面倒だよね」

「綺麗事はわかるけど、それって儲かるの?」

という反応が返ってきます。

出来ない理由をすぐ口に出す人は嫌いです。

「やれるならやりたい」でも実際足りなくて、「何が何でもやる」って気持ちが無いと何も叶いません。
なので、「やらない理由を探している」考え方の人との時間は無駄オブ無駄。

だからそういう場には自然と足が向かなくなります。

世の中には、他人の挑戦を見て

「それ無理やろ」

「前例あるん?」

「大手がやったら終わりやん」

と、無意識にブレーキをかける言葉を口にする人がいます。

的を得てる事もあるでしょうけど、

致命的ではない失敗であれば必要な失敗もあるのです。

特にこれからは失敗した事が価値になる時代。

もっともらしい事をいって人のブレーキになるよりも、

人のエンジンになれる人に私はなりたいのです。

その観点からも、この団体は素晴らしい。

「それ面白いね」

「もっとこうしたら良くならない?」

「一緒にやろうよ」

そんな会話が自然に飛び交います。

否定から入らない。

誰かの挑戦を笑わない。

だから私は少し浮くくらいで済みます。

(結局浮くんかい)

しかも、この業界のトップたちが集まり、距離感も近く、関係性も縦割りじゃないのも魅力的。

器が大きい。発想が柔軟。アドバイスの角度が深い。そして何より、仕事に対して真摯で

向上心のレベルが違います。

CPMの授業は「頭から煙が出る」と言われますが、やっぱり苦労を共にして、
それを乗り越えた人たちの絆というのは本物なんだなといつも感じます。

ありがたや。

さて、本題。

「大人の余裕」について。

「余裕がある大人って魅力があるよね」

そんな声を聞くことがあります。

一方で、「一生懸命な人は素敵だ」という考え方もあります。

それも間違いありません。

ただ、仕事において

「俺は常に全力投球です!」

「一生懸命さだけは誰にも負けません!」

という働き方には、危うさを感じてしまいます。

なぜなら、続かないからです。

きっと彼らは、「余裕を持つこと」を「手を抜くこと」だと勘違いしているのだと思います。

確かに、自分の限界を超えて成長するためには、一生懸命な時期が必要です。

挑戦、失敗の繰り返しで、器は広がるものですから。

でも、ちょっと想像してみてください。

「この卵を握ってください」

と言われたらどうしますか?

普通の人は割れないようにふんわりと握ります。

ところが、一生懸命至上主義の人は全力で握り潰してしまいます。

そして、「これだけの力を出しました」と満足してしまうのです。

なんなら自慢すらしてきます。割れた卵が悪いんですぐらいに。

そんなことあるかいと言われそうですが、仕事の現場では、この「卵を割る人」が意外とたくさんいます。

熱意はある。頑張っている。でも相手の状況を見ていない。求められていることを見ていない。

適切な力加減を知らないから、結果が出ない。あるいは、周囲との関係を壊してしまう。

人生や仕事で結果を出したいですか?

そう聞かれたら、大抵の人は「はい」と答えるでしょう。

そして、結果とは何で決まるのかという話なのですが、

京セラ創業者の稲盛和夫さんは、

「人生・仕事の結果=考え方×熱意×能力」

という有名な方程式を残されています。

今回のテーマでいうなら、一生懸命さは「熱意」にあたります。

でも、いくら熱意が高くても、相手の状況を理解する「考え方」や、
適切な力加減で対応出来る「能力」がなければ、掛け算の結果は大きくなりません。

相手を見ない独りよがり感(考え方)や、一生懸命(熱意)は、
むしろ結果をマイナスにしてしまうことさえあります。

分かりやすく言うなら詐欺師も熱意と能力はありますが考え方がよろしくないのです。

さらに「一生懸命やっているから正しい」という考え方は、時に思考停止を生みます。

プロの世界はそんなに甘くない。20代が限界でしょう。

「一生懸命になること」と「余裕を作ること」(器を大きくすること)は似ているようで違っていて

両方意識しないといけないのですが、気付いていますか?

結果を出す人は、相手を、状況を見ています。そして力加減を知っています。

その状態こそが「余裕」の正体。

プロに求められるのは、ただ全力で握ることではなく、

リンゴを砕けるほどの握力を持ちながらも、卵を割らずに包み込めること。

最大限の力を持ちながら、必要な時に必要なだけ使えるのがプロ。

そこで重要になるのが「適当」という考え方です。

これは私の数少ない友人から教えてもらったことです。

「適当って手を抜くという意味ちゃうで。適切な程度を知るという意味やで。

今はこれくらいのスピード、頻度、質、熱量が最適やと判断できんとあかん。

例えば常に120%の力で揉んでくるマッサージ師がいたら、揉み返しがひどくて二度と頼まへんやろ。

それと一緒やで。」

確かに、本当のプロは痛気持ち良いツボをついてくる。

仕事で言えば、痒いところにも手が届いたり、

相手を怒らせない程度に厳しい指摘をすることが出来たりする。

わかりみが深いです。

まあ、20代ならある程度卵を割っても許されます。

若さと体力という最強のボーナスがありますからね。

でも30代、40代になっても同じことを続けていると息切れするし、

回復も遅くなってきて、挽回する機会も与えられずレッテルを貼られる事もあります。

一生懸命どころか「雑な仕事」するやつだなって。

真面目で責任感の強い人ほどメンタルダウンしやすいのも、

この「適当(力加減)」を見誤ってしまうからではないかと思います。

若い内に一生懸命に頼りすぎて、器を大きく出来なかったのも原因です。

では、その余裕はどうやって作るのか。

私がやってきた方法はいたってシンプル。

ウサギとカメで言えば、皆さんカメになりましょう。

コツコツしかないのです。

・今までやったことのないことに挑戦する

・失敗する

・恥をかく

・悔しい思いをする

・挽回するまで没頭する

器は、痛みを伴う挑戦によってしか広がらないのです。

違う方法があったら教えて欲しいです。

いや、やっぱりいりません。

だって、この過程には最高のおまけがあるからです。

それが仲間です。

冒頭でお話したCPMの仲間たちもそう。

完成された状態で出会って乾杯する関係も悪くありませんが、余裕がなかった時代、
失敗してもがいていた時代を共有した仲間の絆は圧倒的に強い。

今、業界のトップとして余裕と器の大きさを感じさせる人たちも、

聞けば最初からそうだったわけではありませんでした。

みんな卵を割っています。

さらに、余裕にはもう一つ特徴があります。

「複利で増える」ことです。

若いうちに失敗して、器を広げ、正しい考え方を学ぶ。

適切な判断ができるようになる。結果が出る。さらに余裕が生まれる。また結果が出る。

このサイクルが回り始めると、人生は雪だるま式(複利)に豊かになっていくようです。

若い内の苦労は買ってでもしろってのは

「だって、複利だからね」ってのを付け足せばわかりやすいですね。

世の中には、「あの人は余裕があっていいな」と羨む人がいますが

その言葉を聞くたびに違和感があります。

その余裕の裏側にある人には見えない泥臭い過去があるのが想像できんのかなって思うからです。

どんな失敗をしたんだろう

どんな恥をかいたんだろう

眠れなかった夜はどれぐらいあったんだろう

逃げ出したくなった回数はどれぐらいあったんだろう

光ばかり見ていたら本質を見失います。

闇の中で複利の種撒きをしていた事の方が真似するべきなのに。

傷ついた時、弱った時、逃げたい時、諦めたい時に、
「この遠回りが人として自分の深みに繋がっている」と何回自分に言い聞かせただろうなあ。

もはや、洗脳は完了しました(笑)

そして改めて、先ほどの方程式で表現するなら、こんな感じです。

「人を知り、自分を知る考え方」

×

「苦労と挑戦で磨き続けた能力」

×

「何歳になっても没頭できる熱意」

この3つが掛け合わさった時人は大きな結果を生み出すんだろうと思います。

そして、その結果を出し続けられる状態(ベストコンディション)でいる事が

本物の『余裕』なのだと思います。

そんな人はただただ格好いい。

そらモテるわなと思います。

私も社員も、そんなプロを目指していきたいものです。

と、ここまで偉そうに「余裕が大事だ」「力加減が大事だ」と語ってきましたが、

一番卵を割ってきたのは私かもしれません。

今でも、「一生懸命やった失敗なら必ず次につながる」と本気で思っています。

自分は力加減を学んだからそう思えますが、それを人に向ける時には注意が必要でした。

かつて相手の状態を見ずに「一生懸命やればOK!」と発破をかけ続け、追い込んでしまったことがあります。

当時の私は、それが正しいと思っていましたが振り返ると、

卵を握り過ぎていることを気付かせるべきでした。

正しいことだろうが、情熱だろうが、加減を間違えれば、相手にはただの圧になります。

相手の状態を見ていなければ、それはただの自己満足で

考え方を進化させないといくら一生懸命でもダメなので、

一生懸命やっているのに結果が伴わない人は考え方にアプローチしてみて下さい。

うーむ。

そう考えると、このブログは誰かに説教をするためではなく、

まだまだ未熟な自分自身を戒めるために書いているようなものだなと思います。

ただ、未熟さを自覚できるうちは、まだ伸びしろがあるって事でいいですよね。

そう都合よく解釈しながら、また挑戦して器を大きくしていきますよ(笑)

卵を割らないように気をつけながら。

気を付けているつもりなんですけどね。

なかなか難しいものです。

人生、死ぬまで修行ですね。

余裕のある大人への道は険しい。

険しいし、悔しいけど、面白い。

でも絶対なる。

今日はこのへんで。

ではでは。

【今週のQ&A】

Q:新入社員や若手が「卵を割る」くらい一生懸命になりすぎて空回りしている時、どう対応していますか?

A:そもそもZ世代は「失敗なんてしたくない」という傾向が強いらしいので、まずは失敗の価値を教えるところから始めます。(とりあえず、このブログを読んでね、と。笑)

あと、空回りしている時は必要な失敗を本人から奪わないことです。

挑戦してくれて有難うって思いながら見えない位置から見守るようにしています。

ただ自分に矢印を向けている場合の空回りは早めにケアしましょう。

独りよがりでは、いくら熱意があっても、能力があっても余裕のある大人にはなれません。

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この記事を書いた人

株式会社クライフ代表の唐津です。
趣味:料理、ドライブ、読書、プロレス観戦
何事もつい本気になってしまう性分です。
座右の銘:「人生とは何を得るかではなく、何を残すかにある」
仕事でも目先の成果より、後から効いてくる価値を大切にしています。派手さよりも、愚直に日々の行動を積み重ねられる誠実な人が好きです。
人生を一生懸命生きる仲間を増やして笑顔で過ごしたい。その為にも日々を割と真剣に向き合っています。

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